Yahoo!とGoogleとFacebookにみる広告の変遷


日本のYahoo!は創業20周年を迎えたそうです。
アメリカのYahoo!は、優れたホームページを選び分類して整理するというディレクトリーサービスからスタートしましたが、ポータルサイトとしてインターネットにアクセスする時の入り口で地位を築くことになりました。
広告モデルを主体としているので、より多くの回数、より多くの人に対して広告が表示されるということが必要です。広告の種類もバナーが主でしたね。
例えば、長野県の小売店のホームページ一覧ページにアクセスすると、そのページに関係する広告バナーが表示されるということになります。
そこで、各種魅力的なサービスをそろえ、Yahoo!のトップページという入り口に入ったら、Yahoo!のなかで満足してもらう、探していたものを見つけてもらうということが戦術だったわけです。

そしてGoogleが登場します。
Googleといえば検索。昔はYahoo!も検索のサービスを持っていましたが現在では持っていません。検索に優れるGoogleに敗れ去ったということですが、実は検索はGoogleにとっては手段でしかありません。
全てを自らのサイトで完結させようとするYahoo!に対してGoogleは真逆です。
Googleのトップページを見れば検索窓しかない。
ユーザが検索して満足されるような検索結果のリストを表示し、そのなかから探していたサイトにすぐに誘導してくれます。
Googleも広告モデルで、例えば「長野県 雑貨」というようなキーワードを入れると、その検索キーワードにマッチする広告が表示されます。でも、AdSenceによる広告がGoogle以外のサイトに張られているので、Googleのなかに掲載した広告にこだわらなくていいわけです。
Yahoo!とGoogleの大きな戦略の差はここにあるのです。
またGoogleは広告の売り方も替えました。
Yahoo!は広告代理店や自社の営業部隊によって販売するのを主としてました。
どうしても人間が営業して回って契約を取ってくるので高額な契約を目指さざるをえません。
ところがGoogleはネットで販売しはじめました。
だれでも広告を契約して掲載することができます。一日の予算が数百円というような設定だってなんら問題なくできます。
Yahoo!はGoogleのこの仕組みに相乗りするしかありません。

Facebookも広告の出稿システムがさらに進んでいるとも言えるでしょう。
ソーシャルネットワークという人のネットワークをプラットフォームにしているので、人の属性を事細かにターゲティングして広告を出すことができます。
Googleがキーワードと、どこのサイトのどんなコンテンツにその人はアクセスしたかによる行動ターゲティングで広告を表示するのに対してFacebookは人の属性。
同様に例をあげれば、居住地を長野県にしていて、雑貨に関係するFacebookページをいいねしていると、長野県の雑貨屋さんの広告が表示されるわけです。
行動ターゲティングによって、よりクリックしてくれるようにターゲティングされているわけですが、FacebookもどのようなFacebookページに「いいね」しているかとか、どんな投稿に「いいね」しているかをデータとして使っています。

より効率のいい広告を掲載できるシステムを世の中に出していたかによってインターネットの主導権は移り変わってきています。
GoogleはFacebookに遅れをとっているとは思ってませんが、次に現れるのはどんなシステムなのでしょうか。